働くことを問い直すために

6月7月と2回にわけて、仕事と占星術についてのワークショップを都内で行うことになりました。

http://www.arcanumseminars.com/sugar-work#PCuDne0.twitter_tweet_count_m


まず、仕事の意味や、働くことの意味ということで、私たちが考えるものが二つあります。

ひとつは、人のために役に立つというということ。
もうひとつは、「自己実現」できるということ。

前者はいつの時代にも言われてきたことであり、後者は近年とくに言われていることですが、
そのどちらもが見えにくく、実感しにくくなっているのが今の社会の現状だと思います。

それはたとえば、自分の「労働」がいきつく宛先とはつまりどこの誰なのか?
自己自己というが結局それも、他の誰かのおかげで成り立っているに過ぎず、
そうした「おかげ」は社会の複雑なネットワークのどこにどのように位置づけられるのか?
といった問いに答えることのむずかしさに通底しているように感じます。

かつて柳田國男は近代に入り貧困が消えるにしたがい「孤立貧」の時代がくるとして、
「われわれは公民として病みかつ貧しい」という言葉で『明治大正史世相篇』を結びましたが、
現代においても、人は過剰なまでに分断され孤立しています。

しかしだからと言って、昭和の右肩上がりの時代のように、
家族や地域、会社内の人間関係など固定された枠内でのコミュニティーや縁を、
ふたたび強固に復活させるのもまた難しい、という状況にいま私たちは立たされている。

そうした、希望の仕事に就く機会や、誰かに必要とされる感覚が、
自然に、あるいは直接的に与えられることの難しい時代に、自分は何をどうしたらいいのか。

そうした今という時代の発する問いに添いながら、
希望や機会、感覚を、ただ遂げるか潰えるか、あるかなしかの二者択一に追い込むのでなく、
人生の節目においてその都度修正し、編みなおしていく“すべ”の一つとして、
占星術をどう活用していけるか、何をどう語りうるのか、そこで働くことの意味をいかに掴みなおせるのかを、
実際の文脈を踏まえつつ、参加者の方と一緒に考えていきたいと思います。